Lesson 1-7
五度圏
この章では五度圏について説明をしていこうと思うのですが、恐らくここが音楽理論を理解する上で、最も難しい部分だと思います。
なるべく分かりやすく説明していきますので、どうぞ焦らずじっくり読んでみて下さい。
それでは色々と説明をするために、まずはCメジャースケールを改めて見てみましょう。

このように、Cメジャースケールは、1番目の音が「ド」、2番目の音が「レ」というように音が並んでいます。
この音の並ぶ順番を、音楽理論では「○番目」ではなく、「○度」という単位で呼びます。
以下の図のように、Cメジャースケールの1度はド(C)、2度はレ(D)、という具合です。

では、Dメジャースケールの場合はどうなるでしょうか?

1度はレ、2度はミ、3度はファ#、という感じですね。
この「度」という考え方を理解して頂いた上で、いよいよ五度圏について説明していきましょう。
まずは以下の図をご覧下さい。これが五度圏表というものです。

なぜ五度圏表という名がついたかというと、右回りに辿っていくと、それが5度の関係となっているからです。
先程のCメジャースケールを改めて見てみましょう。

このように、C(ド)を1度とした場合、5度はG(ソ)となります。五度圏表を見ると、Cから右回りに1つ進むと、そこはGとなっていますね。
では次にGメジャースケールを見てみましょう。

Gメジャースケールの5度は「レ」、つまり「D」です。五度圏表を見ると、Gから右回りに1つ進むと、そこはDとなっていますね。
この調子でグルグルと回っていくと、最後はまたCへと帰ってきます。
●ワンポイントコラム
それでは、この五度圏表は何の役に立つのか?その一つは、前章でも説明しました通り、各Keyのメジャースケールの#する音、♭する音を簡単に見つけられるという事です。
まずCメジャースケールを見てみましょう。以下のように、シャープもフラットもしません。

次にGメジャースケールを見てみましょう。『F(ファ)』の音だけがシャープしています。

次にDメジャースケールを見てみましょう。『F(ファ)』と『C(ド)』がシャープしています。

C、G、Dという順番でメジャースケールを見てみましたが、このC、G、Dという順番、ピンと来ませんか?
そうです、五度圏表の右回りの順番と同じですね。

そして、シャープした音は、「C」は無し、「G」はFの音がシャープ、「D」はFとCがシャープしました。
この、FとC、ピンと来ましたよね?五度圏表の右回りの順番と同じです。
突然ですが問題です。
五度圏上、Cの右隣にあるGは『F』だけがシャープしました。
そのGの右隣にあるDは『F』と『C』がシャープしました。
では、Dの右隣にある『A』は、どこがシャープするでしょうか?
(チッチッチッチ、、、)
正解は~!『F』と『C』と『G』がシャープする、でした!この法則気づけましたか?

更に、五度圏上、Aの右隣である『E』のメジャースケールを見てみましょう。『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』がシャープしています。

五度圏上、Eの右隣である『B』のメジャースケールは、『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』がシャープしています。

お分かりになりましたでしょうか?
つまり、五度圏の12時の方向『C』から、時計回りにKeyを移動していくと、五度圏上の『F』から時計回りの順番、つまり、『F』『C』『G』『D』『A』・・・という順番で、シャープする音が増えていくという事です。
次は五度圏表を逆周りで見ていきましょう。
まずはFメジャースケールです。『B(シ)』の音がフラットしています。

次にB♭メジャースケールです。先ほどの『B(シ)』と、新しく『E(ミ)』がフラットしています。

次はE♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』がフラットしています。

次はA♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』がフラットしています。

次はD♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』がフラットしています。

分かりましたでしょうか?
五度圏の12時の方向『C』から、反時計回りにKeyを移動していくと、五度圏上の『B』から反時計回りの順番、つまり、『B』『E』『A』『D』『G』・・・という順番で、フラットする音が増えていきます。
それでは、更に反時計回りに五度圏を見ていきましょう。

【F# G♭】と表記されていますね?これはどのような事なのでしょうか?
鍵盤を見ながら考えていきましょう。
まず、F#(ファ#)はここで間違いありませんね?

次にG♭(ソ♭)です。上記のF#とまったく同じ音ですよね?

つまり、F#もG♭も、言葉は違えど音は同じという事です。なので、同じ6時の方向に【F# G♭】と記載されているという事です。
このように、言葉は違えど音は同じというのは他にもあります。例えばC#とD♭、D♯とE♭、などですね。
この事を念頭に置いて、ここから先を読んでいただければと思います。
話を元に戻しまして、五度圏を反時計回りで見たときのD♭の次、【F# G♭】について考えていきましょう。
G♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』と『C(ド)』がフラットしています。
五度圏逆周りの法則で考えてみて下さい。問題ありませんね


それでは、先ほど説明しました、G♭と言葉は違えど音は同じというF#のメジャースケールを見てみましょう。

『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』がシャープしているように見えますが、使っている音はまったく同じです。
このように、呼び名次第で
『B(シ)』『E(ミ)』『A(ラ)』『D(レ)』『G(ソ)』『C(ド)』がフラットしていると見る事もできるし、
『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』がシャープしているとも見る事もできます。
それでは最初に戻り、改めて時計回りで五度圏を見てみましょう。

上記で説明しました『B』の次は【F# G♭】ですね?
この時『F#』と見れば、『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』がシャープしているので、右回りの法則の通りなので問題ありません。
問題は、更に右回りに進んだ時にある、『D♭メジャースケール』です。

『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』がフラットしていますね?
しかし、これを『C#メジャースケール』だと考えればどうでしょう?
『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』『B(シ)』、つまり、全ての音がシャープしていると見れますよね?
この五度圏上の『D♭』を『C#』と考えれば五度圏の右回りの法則通りという事で、問題ありません。
グルグル回って混乱しそうですが、また反時計回りに戻りましょう。
【F# G♭】の次は『Bメジャースケール』ですね?
『Bメジャースケール』は、『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』がシャープしています。
これも、『Bメジャースケール』でなく、『C♭メジャースケール』と考えてましょう。
『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』と『C(ド)』と『F(ファ)』、つまり全ての音がフラットしているので、反時計回りの法則も成立しています。
これで五度圏の時計回り・反時計回り共に法則が成立することが分かりました。
そして、それよりも重要な事は、これで全てのKeyの全てのメジャースケール上で、シャープ&フラットする音を、五度圏を使用する事で簡単に見つけることができるようになった、という事です。
復習も兼ねて、もう一度、五度圏表を見てみましょう。

Key=Aは、FCGがシャープ
Key=D♭は、BEADGがフラット
という具合に、表を見るだけですぐに分かりますね。
という事で!
このlesson1-7まで真面目に読んで理解できていたとしたら、いよいよlesson1-1の冒頭でお話しました、ダイアトニックコードの話をすることが出来ます。
ここまでの話と次章のダイアトニックコードまで理解できたら、今まで勘を頼りに手探りだった音楽の正体が、かなり見えてくると思います。
その正体が見える、という事は、今まであなたが良いと感じていた音楽や、自分の作った曲が、どのような仕組みでどのように出来ているのか、その設計図が見えてくるという事です。
それは、僕は何か物を作る人にとって非常に大事な事の『一つ』だと思っています。
本当に僅かなものかもしれませんが、このサイトに記した僕の知識があなたの音楽活動に影響を与え、そしてリスナーの心を揺さぶるような作品を作り上げるためのキッカケになれたとしたら、それは僕にとっても本当に嬉しいことです。
まだ前半戦ではございますが、ここまで僕の話を読み進めて頂いた皆様に感謝を申し上げます。
なるべく分かりやすく説明していきますので、どうぞ焦らずじっくり読んでみて下さい。
それでは色々と説明をするために、まずはCメジャースケールを改めて見てみましょう。

このように、Cメジャースケールは、1番目の音が「ド」、2番目の音が「レ」というように音が並んでいます。
この音の並ぶ順番を、音楽理論では「○番目」ではなく、「○度」という単位で呼びます。
以下の図のように、Cメジャースケールの1度はド(C)、2度はレ(D)、という具合です。

では、Dメジャースケールの場合はどうなるでしょうか?

1度はレ、2度はミ、3度はファ#、という感じですね。
この「度」という考え方を理解して頂いた上で、いよいよ五度圏について説明していきましょう。
まずは以下の図をご覧下さい。これが五度圏表というものです。

なぜ五度圏表という名がついたかというと、右回りに辿っていくと、それが5度の関係となっているからです。
先程のCメジャースケールを改めて見てみましょう。

このように、C(ド)を1度とした場合、5度はG(ソ)となります。五度圏表を見ると、Cから右回りに1つ進むと、そこはGとなっていますね。
では次にGメジャースケールを見てみましょう。

Gメジャースケールの5度は「レ」、つまり「D」です。五度圏表を見ると、Gから右回りに1つ進むと、そこはDとなっていますね。
この調子でグルグルと回っていくと、最後はまたCへと帰ってきます。
●ワンポイントコラム
この五度圏表を逆回りに辿っていくと、全て『4度』の関係となっていることから、この図を『四度圏表』と呼ぶこともあります。
それでは、この五度圏表は何の役に立つのか?その一つは、前章でも説明しました通り、各Keyのメジャースケールの#する音、♭する音を簡単に見つけられるという事です。
まずCメジャースケールを見てみましょう。以下のように、シャープもフラットもしません。

次にGメジャースケールを見てみましょう。『F(ファ)』の音だけがシャープしています。

次にDメジャースケールを見てみましょう。『F(ファ)』と『C(ド)』がシャープしています。

C、G、Dという順番でメジャースケールを見てみましたが、このC、G、Dという順番、ピンと来ませんか?
そうです、五度圏表の右回りの順番と同じですね。

そして、シャープした音は、「C」は無し、「G」はFの音がシャープ、「D」はFとCがシャープしました。
この、FとC、ピンと来ましたよね?五度圏表の右回りの順番と同じです。
突然ですが問題です。
五度圏上、Cの右隣にあるGは『F』だけがシャープしました。
そのGの右隣にあるDは『F』と『C』がシャープしました。
では、Dの右隣にある『A』は、どこがシャープするでしょうか?
(チッチッチッチ、、、)
正解は~!『F』と『C』と『G』がシャープする、でした!この法則気づけましたか?

更に、五度圏上、Aの右隣である『E』のメジャースケールを見てみましょう。『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』がシャープしています。

五度圏上、Eの右隣である『B』のメジャースケールは、『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』がシャープしています。

お分かりになりましたでしょうか?
つまり、五度圏の12時の方向『C』から、時計回りにKeyを移動していくと、五度圏上の『F』から時計回りの順番、つまり、『F』『C』『G』『D』『A』・・・という順番で、シャープする音が増えていくという事です。
次は五度圏表を逆周りで見ていきましょう。
まずはFメジャースケールです。『B(シ)』の音がフラットしています。

次にB♭メジャースケールです。先ほどの『B(シ)』と、新しく『E(ミ)』がフラットしています。

次はE♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』がフラットしています。

次はA♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』がフラットしています。

次はD♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』がフラットしています。

分かりましたでしょうか?
五度圏の12時の方向『C』から、反時計回りにKeyを移動していくと、五度圏上の『B』から反時計回りの順番、つまり、『B』『E』『A』『D』『G』・・・という順番で、フラットする音が増えていきます。
それでは、更に反時計回りに五度圏を見ていきましょう。

【F# G♭】と表記されていますね?これはどのような事なのでしょうか?
鍵盤を見ながら考えていきましょう。
まず、F#(ファ#)はここで間違いありませんね?

次にG♭(ソ♭)です。上記のF#とまったく同じ音ですよね?

つまり、F#もG♭も、言葉は違えど音は同じという事です。なので、同じ6時の方向に【F# G♭】と記載されているという事です。
このように、言葉は違えど音は同じというのは他にもあります。例えばC#とD♭、D♯とE♭、などですね。
この事を念頭に置いて、ここから先を読んでいただければと思います。
話を元に戻しまして、五度圏を反時計回りで見たときのD♭の次、【F# G♭】について考えていきましょう。
G♭メジャースケールです。『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』と『C(ド)』がフラットしています。
五度圏逆周りの法則で考えてみて下さい。問題ありませんね


それでは、先ほど説明しました、G♭と言葉は違えど音は同じというF#のメジャースケールを見てみましょう。

『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』がシャープしているように見えますが、使っている音はまったく同じです。
このように、呼び名次第で
『B(シ)』『E(ミ)』『A(ラ)』『D(レ)』『G(ソ)』『C(ド)』がフラットしていると見る事もできるし、
『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』がシャープしているとも見る事もできます。
それでは最初に戻り、改めて時計回りで五度圏を見てみましょう。

上記で説明しました『B』の次は【F# G♭】ですね?
この時『F#』と見れば、『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』がシャープしているので、右回りの法則の通りなので問題ありません。
問題は、更に右回りに進んだ時にある、『D♭メジャースケール』です。

『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』がフラットしていますね?
しかし、これを『C#メジャースケール』だと考えればどうでしょう?
『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』『E(ミ)』『B(シ)』、つまり、全ての音がシャープしていると見れますよね?
この五度圏上の『D♭』を『C#』と考えれば五度圏の右回りの法則通りという事で、問題ありません。
グルグル回って混乱しそうですが、また反時計回りに戻りましょう。
【F# G♭】の次は『Bメジャースケール』ですね?
『Bメジャースケール』は、『F(ファ)』『C(ド)』『G(ソ)』『D(レ)』『A(ラ)』がシャープしています。

これも、『Bメジャースケール』でなく、『C♭メジャースケール』と考えてましょう。
『B(シ)』と『E(ミ)』と『A(ラ)』と『D(レ)』と『G(ソ)』と『C(ド)』と『F(ファ)』、つまり全ての音がフラットしているので、反時計回りの法則も成立しています。
これで五度圏の時計回り・反時計回り共に法則が成立することが分かりました。
そして、それよりも重要な事は、これで全てのKeyの全てのメジャースケール上で、シャープ&フラットする音を、五度圏を使用する事で簡単に見つけることができるようになった、という事です。
復習も兼ねて、もう一度、五度圏表を見てみましょう。

Key=Aは、FCGがシャープ
Key=D♭は、BEADGがフラット
という具合に、表を見るだけですぐに分かりますね。
という事で!
このlesson1-7まで真面目に読んで理解できていたとしたら、いよいよlesson1-1の冒頭でお話しました、ダイアトニックコードの話をすることが出来ます。
ここまでの話と次章のダイアトニックコードまで理解できたら、今まで勘を頼りに手探りだった音楽の正体が、かなり見えてくると思います。
その正体が見える、という事は、今まであなたが良いと感じていた音楽や、自分の作った曲が、どのような仕組みでどのように出来ているのか、その設計図が見えてくるという事です。
それは、僕は何か物を作る人にとって非常に大事な事の『一つ』だと思っています。
本当に僅かなものかもしれませんが、このサイトに記した僕の知識があなたの音楽活動に影響を与え、そしてリスナーの心を揺さぶるような作品を作り上げるためのキッカケになれたとしたら、それは僕にとっても本当に嬉しいことです。
まだ前半戦ではございますが、ここまで僕の話を読み進めて頂いた皆様に感謝を申し上げます。