例えば虫歯になって歯が痛くても、放っておけば段々と痛みは無くなっていく。
それは自然に治癒するのではなく、神経が壊死して痛みを感じなくなるのだ。
人間の心も同じだ。
誰かに裏切られたり、騙されたりして、心がひどく傷ついた時、人間の純粋な心は少しずつ腐って、壊死して、最終的には痛みに気づかなくなる。
痛みが無いから平気なような気分でいると、取り返しのつかない大変な事になる。
身体が痛みを感じるのは、体に危険が迫っているのを知らせる為だ。
痛みを感じないという状態は、刻一刻と事態が悪化しているにも関わらず、その危機に気づけない状態だ。
痛みは無くても、体の奥の方で壊死が進み、腐り、膿が溜まっていっているのだ。
痛みが無いから、他人の痛みにも気づけないのだ。
そして更に壊死が進んで、膿が限界量まで溜まってしまうと、人間の体は朽ちてしまうのだ。
痛いと感じられるという事は、健康の証拠だ。
心が純粋で、活力があるからこそ、痛いと感じるのだ。
その痛みから逃れようと、心を腐らせてはいけない。
じっくりとその痛みと向き合い、原因を探り、少しづつ自分の手で治癒しなければならない。