今の家には、気がつけばもう8年近く住んでいる。こんなに長居するつもりは無かった街だし、今だって大して愛着が無いというのが本音だけれど、多分居心地が悪くないという事なんだろう。
もし自分がこの街に住んでおらず、その状態でこの街を訪れたとしたら、「こんな街にも暮らしている人がたくさん居るんだろうな」と思うだろう。
そして、現実の自分はこんな街で8年も暮らしているわけで、
つまり、他の街でも、こんな感じでたくさんの人達がそれとなく何となく暮らしているんだと思う。
自分の暮らすマンションの隣は、小ぶりな一軒家が所狭しと立ち並んでいる。
この家で生まれた子供達は、当然この場所が生まれ故郷として記憶に深く刻み込まれるのだろう。
何の意味もないただの偶然なのか、それともこの出来事を運命と捕らえるのか、同じ街に住む身として、とても気になる所だ。