もしも、幸せや充実といった事柄の全ては幻に由来した感情で、
悲しみや苦しみといった事柄の全ては現実に由来した感情だとしたら、
現実に目を背けて、幻に溺れて暮らす人達は生涯幸せと充実に溢れ、
幻を見定めて現実の中で生きる人達は、生涯苦しみや悲しみと向き合って過ごすことになるだろう
だとしたら、自分はどうしたいのだろうか。
少なくとも、どちらかに偏った生き方は全くもって望まない
嘘だらけの中で偽物の幸せに身を埋めるのもゾッとするし、
苦しみや悲しみしかない世界で生きていくのも御免だ。
苦しみや悲しみもあるけれど、その道の先で、スッと希望の光が差し込むような、そんなドラマチックでバランスの良い塩梅がベストだと思う。
何が真実で何が嘘かなどはどうでも良いことだ。
最も重要なのはバランス、真実の中に適量の嘘を紛れ込ませ、安心して摂取出来るギリギリの量の嘘。
嘘が適量混ざることで、真実がより信憑性を増し、信じたいと思えるほどの信頼感や輝きを纏う。
そんな絶妙なバランスこそが最も重要だと思う。
厳しい現実の中で垣間見える幻こそが、人類にとって最大の幸せなのかもしれない。