協調性の無い人間は生きていけない

人間は、孤独から逃れられない事実に反するように、人間同士の協調性からも逃れることが出来ない。

協調性が無い、一人が好きと言っている人達も、必ず誰かと関わっていかなければ生活が出来ないし、完全に誰とも関わらずに生きていくなど不可能だ。

毎日家と職場を行き来しているだけの人だって、交通手段である電車や車、道路、スーパーマーケットやコンビニ、そして勤め先など、全て自分以外の誰かが用意したものだ。

友人や恋人、家族といった関係は解消する事が出来るが、もっと大まかな人間同士の協調性からは逃れることが出来ない。

だから、人間は少なからず、他人と協調して生きていかなければならない。

人間社会は完全に集団行動の社会となっており、単独行動はジャングルの果てにでも行かないかぎり実現出来ない。

ちなみに、はっきり言って自分はそんなに人が好きではない。

本当は友達と遊びたいくせにとか、一人が寂しいくせにとか言われる事もあり、理解してもらえない事は重々承知なのだが、本当にそんなに人が好きではないのだ。

ただ、ものすごく価値観の合う人や、ものすごく自分を理解してくれてリラックス出来るような人との時間は楽しい。

とは言え、もくもくと一人で作品を作ったり、本を読んだり映画を見たり、一人でぶらぶらと街を歩きたい時や、他の気の合う人と会いたい場合もあるので、いつも同じ人と一緒なのは大変だ。

少なくとも、価値観が合わず、自分を理解してもらえない人と居るのは退屈だし、人生は有限なので、基本的にはそういう人との時間はなるべく避けて暮らしたいというのが本音だ

冷たい人間と言われても仕方が無いし、価値観が合わない人との時間も大切に出来る温かい心の人は心から尊敬しているが、残念ながらこればかりは自分ではどうする事も出来ない性格だ。

きっとこんな人間だからこそ出来る仕事もあるだろうし、何らかの形で世間に貢献しているはずなので、世界は広いしこんな人間も居てもいいだろうと大目に見てやって欲しい。

こんな自分だけれど、この世の人達には基本的に全員に感謝している。

道路や建物を作ってくれた人、街の飲食店で料理を作ってくれた人、法律を作ってくれた人、戦争が起こらぬよう工面してくれた人、皆が居るお陰で自分は毎日快適に暮らす事が出来ているし、これは本当に心から感謝している。

感謝しているからこそ、自分は自分なりに世間に役立つ人間になりたいなと思う。

感謝しているからこそ、自分と価値観が合わない人や、自分を理解してくれないような人でも、共に時間を過ごすことは無くとも、陰ながら非常に感謝している。

こういった意味で、協調性を常日頃感じて生きていく事は、とても大事な事だ。

他人と共存していくことに、明確な理由が無くとも煩わしさを感じる気持ちは大変理解できるが、こういった感謝の気持ちを常に忘れない事で人間として正常な生き方が出来ると思う。

もしくは、自分の古い祖先に、猫や狼のような単独行動を好む獣の血が少し混じっているのだと諦めて、協調性からは逃れられない事実を粛々と受け入れると良い。


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